今話題の痩せ菌・デブ菌ですが、極端に増やし過ぎたり減らし過ぎては腸内環境のバランスが崩れてしまいダイエットにも高い効果が得られなくなってしまいます。更には癌などの病気の原因となりますので注意が必要です。
極端に腸内細菌をコントロールするのではなく、適度に増減していくことで痩せやすい体質を手に入れていく方法をこの記事ではご紹介していきます。
スポンサーリンク瘦せ菌とデブ菌とは
一人のヒトの腸内には100種から3000種類の細菌が100兆個から1000兆個の腸内細菌が生息しています。
痩せ菌とデブ菌は腸内細菌のことで『痩せ菌=バクテロイデス門』『デブ菌=ファーミキューテス門』と呼ばれています。
消化管の下部にあたる、腸管内の錠剤細菌が腸内細菌です。腸の内面を広げるとテニスコート1面分にも相当しさながらお花畑のように細菌類が生息していることから「腸内フローラ」とも呼ばれています。
腸内細菌は主に善玉菌、悪玉菌と分類して説明されます。善玉菌や悪玉菌に必ずしも分類されず、他の菌の影響を受けて作用が変化するものを日和見菌と呼び、これら3種類の細菌の割合は善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7とされています。
痩せ菌とデブ菌はこの内の日和見菌に分類されますので、善玉菌や悪玉菌の影響を受けて作用すいる菌となります。
痩せ型の人と肥満型の人との違い
全く同じ食べ物を食べていても太ってしまう人、あまり食べていないのに太ってしまう人、そんな人は痩せ菌よりもデブ菌が多いことが原因で太ってしまっています。
2006年に最も権威ある科学雑誌「Nature」に肥満と腸内細菌が関係していることが掲載され、その中でゴードン先生は、普通マウスの主要な2種類の腸内細菌と比較して肥満マウスの腸内細菌ではバクテロイデス門(痩せ菌)が少なく、ファーミキューテス門(デブ菌)が多かった。ヒトでも同様の結果であったことを発表しています。
つまり、この最近を増減させることで肥満体質を改善できるということが話題となりダイエット法としてメディアで取り上げられています。
デブ菌と痩せ菌の理想的な割合は4:6ですので少し痩せ菌が多めに保つことが理想とされています。
スポンサーリンク痩せ菌・デブ菌の働き
ヒトは食べ物を摂取するとその栄養が体内に運ばれますが、栄養として体内に吸収されるものと、不要と判断されて体外に排出されるものがあります。
デブ菌が多い状態の腸内環境だと、この有害物質などの不必要な栄養を体外に運ぶことをブロックし、それを脂肪として蓄積しようとします。
反対に痩せ菌が多い状態の腸内環境だと、余分な脂肪をため込まないようにしたり、筋肉に働きかけて脂肪を燃焼する働きをもっています。
そもそも痩せ菌もデブ菌も善玉菌や悪玉菌の影響を受けて作用する働きがある為、善玉菌(有用菌)を悪玉菌(有害菌)よりも多い割合で腸内環境を保っていれば肥満防止や老化防止の作用をもつ善玉菌の働きのサポートをしてくれます。
痩せ菌とデブ菌の可視化方法
残念ながら普段の生活の中で腸内フローラを検査することは難しいです。どうしても検査サービスを利用して可視化する必要があります。
腸内フローラ検査キットの比較を別記事で行いましたので、参考までに載せておきます。↓
痩せ菌とデブ菌の細かいデータは簡単にチェックすることが難しいですが、善玉菌と悪玉菌をチェックすることは可能だといわれています。その方法は便を確認することでおおよそ把握できるといわれているようです。
善玉菌が多い人の特徴
- 色が黄色から黄色がかった褐色になっている
- バナナの形状をしている
- 匂いが臭くない
- 適度に柔らかい
悪玉菌が多い人の特徴
- 色が黒ずんでいる
- 下痢など便秘のコロコロ状態
- 匂いが気になるほど臭い
極端に増減すると体にどんな影響を及ぼす?
腸内細菌叢のバランスの変化が感染症や下痢症などを引き起こす原因となることも明らかになっています。
腸内細菌の組成には個人差が大きく、ヒトはそれぞれ自分だけの細菌叢を持っていますが、食餌内容や加齢など、宿主であるヒトのさまざまな変化によって細菌叢の組成もまた変化してきます。
デブ菌の割合の方が多くなってしまっている人はもちろん痩せ菌を増やしてデブ菌を減らし、バランスよく6:4にしていくぶんには問題ありませんが、もともと痩せ菌が多い人は腸内環境のバランスを崩さない為にもあくまで6:4を維持するようにしましょう。
バランスが崩れてしまうと免疫力が低下し、あらゆる病原体の侵入を防げなくなるだけでなく、発がんをもたらす可能性もあります。
痩せ菌を増やし、デブ菌を減らす方法
痩せ菌は食物繊維を好み、デブ菌は反対に脂肪分の多い食事を好みます。
食物繊維を多く含む野菜を摂取する
食物繊維は食物繊維でも特に水溶性食物繊維を多く含む食材を摂取するようにしましょう。血糖値の上昇と脂肪吸収を抑えてくれるのが水溶性食物繊維、反対に便秘改善に効果的なものが不溶性食物繊維です。なぜ水溶性食物繊維が良いかというと、この成分は善玉菌のエサとなる為、善玉菌が腸内で増殖し活性化されるためです。
もち麦で水溶性食物繊維を摂取
ご存知の方も多くいらっしゃると思いますが、水溶性食物繊維を多く摂取できる食べ物として有名なものがもち麦です。お米7割、もち麦3割で炊いたものを朝食に食べると効果的です。
就寝1時間前にオリゴ糖をかけたヨーグルト
乳酸菌を多く含むヨーグルトと乳酸菌の餌となるオリゴ糖をかけたものを就寝1時間前に食べるようにしましょう。
寝ている間が一番腸内が活発化しますので、就寝前というのがポイントです。
補足
痩せ菌が酵素を好むという情報も出回っていますが、腸内細菌自体もともと嫌気性生物(けんきせいせいぶつ)である為、増殖に酵素を必要としない生物です。腸内細菌の99%以上がこの嫌気性生物なので、酵素は痩せ菌との関わりは薄いかと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。腸内細菌がダイエットにこんなにも重要な働きをしているとは驚きですよね。今回腸内細菌に関する研究文献を読んでいて、自分の体の腸内に私たちが暮らすような小さな世界が存在してその中で300種にもなる細菌たちが生活していて、私が食べるものが有害物質であればその何兆となる生命を危機に追い込んでいるのかといろいろ想像を膨らませてしまいました。
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