2019/9/19に放送されたテレビ東京系テレビ番組『主治医が見つかる診療所』では、ボツリヌス症という呼吸機能が低下する病気を紹介。その病気の原因となったボツリヌス菌という菌が、まさかのレトルト食品とチルド食品を誤って認識していたことから発生してしまい、体内に菌をいれてしまうといいます。レトルトとチルドの違いや注意点とは?
スポンサーリンクボツリヌス症とは?
ボツリヌス症とはボツリヌス菌が作る毒素によって起きる病気です。自然界で最も危険な毒ともいわれており、体に入ると手足の筋肉がマヒし最悪の場合、呼吸困難により死にいたることもあるといいます。
ボツリヌス菌は空気の少ない環境を好む特性があります。しかも30~37度の温度で活発に増殖します。つまり、真空パックや夏場という条件が整うと増殖しやすくなります。
また、ボツリヌス菌は100度で6時間以上熱しないと死滅しない(※菌が芽胞の状態の場合)ので、数分火を通しただけでは死滅しません。
その原因が真空パックのインスタント食品?
真空パックのインスタント食品は家庭でよく使う便利な食品ですよね。時間がない時にさっと用意できるのでカレーなんかはよく購入・使用されている人も多いのではないでしょうか。
その真空パックのインスタント食品になぜ細菌が発生したのでしょうか。その理由はレトルトとチルド食品を間違えて認識していた為、または知らなかった為です。
レトルト食品とチルド食品の違い
チルド食品はレトルト食品と異なり、冷蔵をしなければいけない食品です。商品のパッケージ部分にも『要冷蔵』と記載されています。
チルド食品は高圧加熱殺菌をしていない食品で冷蔵庫で保存が必要な食品です。保存方法の欄には「10度以下で保存してください」などと記載されています。
一方、レトルト食品は、調理後に高圧加熱殺菌を施した食品ですので常温でも保存が可能です。保存方法の欄にも、『直射日光を避け、常温で保存してください』と記載されています。
つまり、レトルトとチルド食品は保存方法が全く異なりますし、殺菌方法も異なるため、使い方・調理法を誤ってしまうとチルド食品に細菌が発生して、病気の原因となる可能性があるというのです。
チルド食品を冷蔵せずに、常温保存してしまうと、ボツリヌス菌が増殖して命を脅かす病気を引き起こす可能性があります。
スポンサーリンクレトルト食品とチルド食品の注意点
番組内では循環器内科の秋津先生が「レトルト(パウチ)食品は120度以上で高圧加熱殺菌をしているので常温で保存しても地震用に備蓄しても大丈夫です。ところが、チルドというのは高圧加熱殺菌をしていないので10度以下の冷蔵保存が必要です。その為、冷蔵室にしかスーパーでも置いていない」と解説されていました。
1回でも常温に戻してしまったら破棄した方がいいのでしょうか?
秋津先生は「常温に戻している間にずっと寝ていた菌が起きて毒を作っている可能性があります」と解説されていました。
そんなことを聞いてしまうと夏場はチルド食品には一切手をつけたくなくなりますよね。冬場は外気が寒いので問題はなさそうですが、特に夏場は注意が必要だということですね。
スーパーから家までチルド食品を持ち帰る際は保冷剤を忘れないようにするのがマストだということがわかります。つまり、冷凍食品を買っていなくても、チルド食品を買っていたら保冷剤をもらって持ち帰るようにしましょう。また、スーパーから家に帰るまでに時間が空いてしまう場合はチルド食品を買わないという選択をされるのもいいかもしれませんね。家まで帰る時間が短い時のみ買うなど工夫しましょう。
脳神経外科の上山先生は「ボツリヌス菌というのは空気を嫌う菌で真空状態で生き抜く。もっとヤバいのが3つの形があります。1:菌、2:菌が作る毒素、3:芽胞(がほう)です。この芽胞の状態が一番ヤバい状態で、煮ても焼いても死滅しない状態です。」と解説されていました。菌自体はわりとすぐに死ぬようですが、菌が硬い殻を作って休眠状態にある芽胞の場合は、死滅しにくいといいます。
内科・リウマチ科の中山先生は「真空パックや瓶詰、缶詰でも『普段と味が違う、膨らんでいるものは避ける』ようにしましょう。空気があまりはいっていないとこで貯蔵されているもので起こる可能性がある」と解説されています。
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